人口が100万人を切った富山県が、それでも旅立つ若者を応援する理由。
こんにちは。広報・ブランディング推進室の高松です。
富山県では、県外に進学・就職する学生をはじめとして、広い世界へ羽ばたく若者たちを応援する「I'm Your Home.」プロジェクトを、2022年から実施しています。
全国の多くの自治体と同様に、富山県でも若年層の転出超過が大きな課題となっています。外の世界に一歩踏み出そうとする若者にとって、富山県がいつでも帰れる「Home」であるためには何が必要なのか。
そのための一つのアプローチとして、挑戦しようとする若者を県内にとどめようとするのではなく、むしろその背中を後押しするようなメッセージが必要なのではないか、そんな思いからこのプロジェクトはスタートしました。
■「I'm Your Home.」HP
https://www.home-toyama.com/
毎年少しずつアプローチを変えながら実施し、3年目の今回は、第一線で活躍する富山県出身の先輩たちが、一歩踏み出そうとする若者たちにエールを贈ります。
この記事では、今回の企画に込めた思いを紹介します。ぜひご覧ください。
プロジェクトの企画背景
これまでのプロジェクトでは、「親からの「エール」と「ホンネ」(第一弾)」「地域の人々からの”いってらっしゃい"(第二弾)」をテーマに、挑戦する若者の背中を押すメッセージを発信してきました。
■第1弾
■第2弾
今年度の企画実施に当たっては、「若者に届くのは、どんな人のどんな言葉だろうか」について、若手職員を中心に議論を重ねました。
議論の中で注目したのは、新しい世界に向けて一歩外に出ようとしている若者たちの気持ちには、期待に胸が膨らむ前向きな気持ちはありつつも、「焦り」や「不安」が同じようにあるのではないか、という意見です。
現代の若者たちは、SNSを通じて、毎日膨大な量の情報に囲まれています。そうした状況の中では、将来への理想や期待を抱きつつも、同時に「何かを成し遂げなければいけない」「何者かにならなければいけない」という「焦り」や「不安」を抱えているのではないでしょうか。
そこで今年度は、そうした焦りや不安を少しでも拭いたいとの思いから、ロールモデルとなる県出身の先輩たちからのエールを届ける企画を考えました。
富山から旅立ち、各界の第一線で活躍している方はたくさんいます。そんな「何者か」に見える先輩たちも、かつては同じように富山で生まれ育った若者の一人であり、そして、今の自分と同じように、夢や理想を抱いて富山を飛び出したのです。そんな先輩たちの言葉であれば、今飛び出そうとする若者にも届くのではないかと考えました。
また、様々な分野で活躍する先輩たちの姿をロールモデルとして示すことで、未来には多くの可能性があることを感じてもらうことも狙いの一つです。
今回の企画内容
県が運営するWEBメディア「doors TOYAMA」で、「挑戦する若者への先輩たちからのエール」をテーマに、5本のインタビュー記事を連載で発信します。
■doors TOYAMA
https://doors-toyama.jp/category/series/im-your-home/
エールを贈る先輩は、以下の方々。
【エールを贈る先輩】
・射水市出身のクリエイティブ・ディレクター 高木新平さん
・魚津市出身の建築家 浜田晶則さん
・富山市出身の小説家 山内マリコさん
・富山市出身の舞台演出家・作家 松澤くれはさん(1月公開予定)
・氷見市出身の音楽家 TAIHEIさん(2月公開予定)
先輩方には、一歩踏み出した当時の心境や、今だからこそいえるHome富山に馳せる想いを、等身大の言葉で語っていただきました。
前向きな気持ちと同時に不安な気持ちを抱いているであろう若者に、「大きなことを成し遂げキラキラと輝いて見える先輩にも、不安や葛藤を抱きながら一歩踏み出した瞬間があった」ことを伝えることで、背中をそっと押せたらと考えています。
富山を旅立とうとしている若者はもちろん、何かに挑戦しようとしている方や他にふるさとがある方など、全国の皆さんにお読みいただきたい内容となっています。
さらに、記事をより多くの若者に読んでいただくため、SNSでのショート動画も展開中です。ぜひ合わせてご覧ください。
■TikTok:https://www.tiktok.com/@imyourhome.toyama
■Instagram:https://www.instagram.com/imyourhome.toyama/
おわりに
私は東京の大学に進学し、就職を機に富山に戻ってきました。
新卒で富山に戻る人は少数派で、「なんで富山に帰ってきたの?」と言われることも度々あります。都会での就職や生活に憧れがなかったといえば嘘になりますが、最後は「なんだかんだで富山が好きだった」から戻ってくる決意をし、今はその決断を全く後悔していません。
私のように、富山県に戻ってくる方が増えるのはもちろん嬉しいことですが、まだ決めていない方、戻ってくるつもりはないという方にも、「I'm Your Home.」プロジェクトをはじめ県の施策を通して、富山県との繋がりを持ち続けていただけたらと願っています。
そう思っていただけるような富山県を作っていけるよう、富山県職員として、一県民として頑張ります!
先月、『ここは退屈迎えに来て』などで知られる富山県出身の作家・山内マリコさんの新作『逃亡するガール』が発売されました。
富山県の女子高生が主人公の作品なのですが、富山県民おなじみの場所や、「私も高校生のとき言われたなあ」と共感できるセリフがいくつも出てきて、思わず一気読みしてしまいました。
皆さんもぜひ、読んでみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。