【清流の国ぎふ】富山県職員、岐阜県庁で働く。
いつも富山県公式noteをご覧いただきありがとうございます。
富山県と岐阜県は、東海北陸自動車道が全線開通した7月5日を「富山・岐阜交流の日」と定め、共に日本の中央部に位置する県としてお互いに連携・協力し、職員の派遣も行っています。
今回はそんな岐阜県庁に派遣中の職員に、岐阜県での仕事ぶりや暮らしの様子、富山県との違いなどについて聞いてきました。ぜひご覧ください。
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自然や文化を生かした観光地づくり。
ーー岐阜県庁ではどんな所で働いているんですか?
観光国際政策課のサステイナブル・ツーリズム推進室という部署で働いています。サステイナブル・ツーリズム(持続可能な観光)とは、大勢の方が訪れる賑わいのある観光地を目指すだけではなく、地域の自然や文化、元々根付いているものを生かした観光地づくりを行おうという考え方です。
岐阜県はこのサステイナブル・ツーリズムを推進しており、 観光で来られる方に満足いただくのはもちろん、そこに住んでいる地域住民の方の暮らしや生活も守りながら「住んでよし、訪れてよし」の観光地づくりを進めているんです。
ーー素敵な考え方ですね。木倉さんはどんな業務を担当しているんですか?
私が担当しているのは「NEXT GIFU HERITAGE ~岐阜未来遺産~」に認定している恵那市の岩村地域です。岩村地域は、岩村城や城下町などの昔ながらの町並みが残る地域なので、地域の方々が守ってきた景観を維持しながら、地元ならではの体験コンテンツの造成やWEBサイトなど、観光地としての魅力を高める取組みを支援しています。
また、恵那市岩村地域は今年からの担当になるんですが、去年から継続してバリアフリー観光も担当しています。
障がいをお持ちの方にも岐阜県の観光を楽しんでいただけるよう、車いすの方でも楽しめるモデルコースを紹介するPR動画をインフルエンサーの方と一緒に制作したり、WEBサイトでの情報発信を行っています。
ほかには、岐阜県は令和5年に加入した「持続可能な観光地づくり国際ネットワーク(UN Tourism International Network of Sustainable Tourism Observatories:INSTO)」の事務にも携わっています。
INSTOは、世界観光機関(UN Tourism)が推進するネットワークで、指標に基づくモニタリング・評価を行い、観光地の持続的な発展に関する議論を行う観光地で構成されています。
私は、地域の関係者と意見交換を実施するとともに、モニタリング結果をレポートにまとめて、年次報告書を作成する作業を担当しています。
新たな経験を求めて富山県の外へ。
ーー岐阜県庁への派遣は自分から希望されたとお聞きしました。どうして希望しようと思ったんですか?
富山県庁で最初に配属された広報課では、毎日とても楽しく仕事ができていて、ずっとこんな風に働けたら良いなと思っていました。
ただ、これからもずっと働くことを考えたときに、一度富山県庁とは違う場所で働いてみるのも良い経験になるんじゃないかと思ったんです。
それに、以前岐阜県に派遣されていた先輩のお話も聞いて、岐阜県が素敵なところだと話されていたのも決め手になりました。
ーー実際に働いてみて、富山県との違いは感じますか?
仕事だけで見ると、同じ県職員なのでそこまで大きな違いは感じません。もちろん、打ち合わせの仕方や会計の処理など細かな違いはありますが、基本的な働き方は同じだと思います。
ただ、暮らしてみて感じるのは岐阜県の広さですね。富山県は比較的コンパクトにまとまっているので、大体一時間あれば車でどこにでも行けると思いますが、岐阜県の場合、例えば県の南側にある岐阜市から県北部の高山まで行くだけで2時間半~3時間くらいかかるんです。
地域によっても文化の違いが大きいと感じます。例えば、岐阜県庁がある岐阜市は愛知県に近いので、味噌汁が赤だしだったり、味付けも濃いめの愛知寄りの食文化です。お店でカツ丼を頼んだときに味噌カツ丼が出てきたときは驚きました(笑)
逆に県北部の高山エリアだと、あっさりとした醤油味の高山ラーメンのように、味付けも比較的富山県に近いですし、高山にお住まいの方は富山にもよく遊びに来ているそうです。
清流の国ならではの観光地。
ーーこれまでで一番良かった岐阜県のおすすめスポットを教えてください。
自然が豊かなところは岐阜県も富山県と同じですが、一つ一つのスポットが広い印象があります。一番良かったのは高山市の五色ヶ原の森にある「布引滝」です。
森の中にはほかにも色々な滝があるんですが、この滝はとにかくスケールが大きくて、視界全部が滝で覆われるような感覚になりました。岐阜県の自然の豊かさを感じられる私のイチ押しスポットなので、ぜひ行ってみてください!
ーー迫力がすごそうです。ほかにどんなところに行きましたか?
岐阜県の有名な観光スポットやお祭りは去年1年間で大体見てきたかなと思います。なので今年は静岡県や近畿地方など、近隣の県も見てみたいなと思っています。岐阜県は首都圏と関西圏どちらにもアクセスが良くて、利便性が高いんですよ。
あと、岐阜県庁の同世代の職員の方々と仲良くなって、今度富士山に登る計画を立てているんです。そのための体力作りもあって、最近はよく富士見台高原や先ほどの五色ヶ原の森などにハイキングに行っています。
昔からの景観を残す、洗練された町づくり。
ーーまだ派遣期間はしばらくありますが、富山県庁で生かせそうな経験はありますか?
担当している岩村地域の方々のお話を聞いていると、住民の方々が、住んでいる地域の町づくりや観光について本当によく考えられているんです。
広報課で働いていた頃は、どうやって広報するかは考えていましたが「どういう富山県にしたいか」から考えることがあまりなかったので、これからは町づくりも考えながら働けるようになりたいです。
それと岐阜県は文化や歴史を上手に打ち出した観光地が多いんです。例えば美濃市にある「うだつの上がる町並み」は、コンパクトなエリアなんですがたくさんの方が観光に来られています。
古民家も上手に改修されていて、 古い景観を残しつつも、新しさがあって洗練されている印象です。そうしたところが幅広い世代に受け入れられている理由なのかなと感じました。町の魅力の引き出し方は、富山県でも生かせたらと思います。
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おわりに
今回は岐阜県庁に派遣されている職員に、岐阜県での仕事ぶりや暮らしについて話していただきました。
岐阜県にも素敵な観光地がたくさんありそうですね。岐阜県のサステイナブル・ツーリズムに関する取組みは、国際的にも高い評価を集めているそう。「住んでよし、訪れてよし」の観光地づくり、富山県でも参考にできそうです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
文:新田
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