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富山県が誇る農業のエキスパート/富山県普及指導員調査研究・活動成果発表会開催レポート

こんにちは。広報・ブランディング推進室です。
いつも富山県公式noteをご覧いただき、ありがとうございます。

早速ですが、皆さんは県職員と聞いてどんな仕事を想像しますか?ひと口に富山県職員といっても、実は20種類以上の職種があり、様々な知識やスキルを持った県職員が働いているんです!

今回はそんな専門職の中から、農業の専門家として富山県の農業を支えている職員の取組みを紹介します。ぜひご覧ください。

農業のエキスパート、普及指導員。

普及指導員とは、農家の皆さんの農業技術や経営をサポートするために国家資格をもった都道府県職員が任命される、いわば「農業のエキスパート」です。

全国では約7,200名の普及指導員が活躍しており、富山県でも約130名が農家の方と直に接しながら、農業技術の指導や経営相談、農業に関する情報提供を行い、富山県の農業を支えています。

令和6年1月、富山県内の普及指導員が1年間の活動の成果を披露する「富山県普及指導員調査研究・活動成果発表会」が開催されました。

発表者全員が普及指導員ということでやや専門的な発表内容となっていますが、普段県職員がどのように県の農業を支えているのか、紹介していきたいと思います。

どれも興味深い5つの活動。

発表項目は以下の5つ。優れた発表は北陸ブロック大会や全国大会に進むことができます。

  1. 高温に打ち勝つ富山米の安定生産
    ~早生品種「てんたかく」は暑い中でも大きく育ちます~

  2. 広域合併による集落営農発展モデルの育成
    ~集落営農再生に向けたファーストステージ~

  3. 呉羽梨産地での新規担い手確保と園地継承の取組み
    ~120年の歴史に新風を吹き込む~

  4. 鳥獣害対策を通じた中山間地域活性化の取組み
    ~中山間地域の持続的発展に向けて~

  5. 水稲害虫被害への地域ぐるみの対策
    ~クモヘリカメムシとイナゴ類の戦い~

どれも気になるサブタイトルですね。専門的な内容も多いですが、どの発表も農家が抱える課題に対して関係者とともに解決策を構築し、地域に展開していることが伺えます。

今回の成果発表会を担当し、昨年まで普及指導員として着任していた五十里技師(農業技術課)は「普及指導員の活動は、毎年変化する気象に対応した栽培方法を検討し産地全体に広めていくことなど、難しい点もあります。ただ、自分の仕事が農家の収量増加につながったり、スーパー等で自分の担当している野菜が並んでいたりするのを見ると嬉しくなりますね。」と話します。

また、複数の担当者に引き継ぎながら何年もかけて取り組んでいる課題もあり「前任者からの積み重ねがあっての成果です。」とのこと。

さて、5つの発表はどれもなかなか熱い展開で興味深いのですが、今回は最も高い評価を受けた「呉羽梨産地での新規担い手確保と園地継承の取組み」について、簡単に内容を紹介していきます。

120年続くブランド梨の担い手確保

呉羽梨は、明治30年代から120年続く富山県を代表する梨ブランドで、富山市西部にある呉羽丘陵で栽培されています。

酸味が少ない爽やかな味わいの「幸水」をはじめとして、たっぷりの果汁に、ほのかな香りと少しの酸味が効いた味わいの「新高」など、8月中旬から10月中旬までの約2カ月間、それぞれ特徴ある品種が順に収穫され、富山の夏の風物詩となっています。

元々は、稲作には不向きだった丘陵地帯の土壌に適した作物として、この地区に住む土池弥次郎(どいけ・やじろう)さんが自分の畑で栽培を始め、次第に呉羽地域に広がっていきました。

そんな呉羽梨ですが、高齢化による生産者の減少が課題となっていました。そこで、呉羽梨産地を維持・発展させるため、平成29年に富山県(農林振興センター)や生産者、富山市、JAが一体となって、次世代の担い手確保と農地の継承に着目した新たなプロジェクトを開始します。

就農希望者と農地をマッチング

取組みのポイントは大きく分けて以下の3つ。

  1. 地域外から就農希望者の募集・継承可能な農地の把握

  2. 就農希望者と農地のマッチング

  3. 就農者の定着・経営安定化の支援

このうち県の普及指導員は、プロジェクト全体のコーディネートや就農希望者からの就農相談、栽培技術指導などを担当しました。

これらの取組みにより、平成29年以降10名の方が地域外から呉羽梨の生産者として新たに栽培をスタートさせました。若い生産者が増えたことにより産地全体が活気づき、近年では家族継承による新規就農も増えてきたそうです。

また、生産者の引退により減少傾向だった栽培面積は令和5年に下げ止まり、令和6年にはついに増加に転じる見込みとのこと。

発表の最後は「歴史ある呉羽梨ブランドの一層の飛躍を図りたい」と結ばれており、今後もさらに取組みを進めていくとのことです。


成果発表会では、産地全体で課題解決に向かって取り組んでいる点が高く評価されたそうです。”地域に密着した農業の専門家”として地域の課題解決に取り組む、普及指導員ならではのプロジェクトだと感じました。

おわりに

普段何気なく食べている野菜や果物の生産の裏側でも、こんな風に県職員が活躍していたんですね。農業を守る普及指導員の活動、とても興味深かったです。

普及指導員の活動は、県公式HPでも詳しく紹介されています。もっと取組みを知りたいという方は、ぜひご覧ください。

また県公式YouTubeでは、農林水産部の若手職員と協力し「TOYAMAFF(とやまふ)」として富山の農業の魅力を発信中です。シリーズ企画として今後も続編が公開されていく予定なので、こちらもチェックしてみてください!

文:広報・ブランディング推進室 新田

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