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大規模イベントの舞台裏/G7富山・金沢教育大臣会合を振り返る。

こんにちは。広報・ブランディング推進室です。

5月12日~15日にかけて、富山県と石川県の共催で、G7富山・金沢教育大臣会合が開催され、主要各国の教育部門のトップが本県に集まりました。

今回は、そんな各国の要人が集まるビッグイベントの実行部隊として、県庁内に立ち上げられた特別チーム「G7教育大臣会合推進班」の皆さんにインタビューを行い、会合開催までの背景や、どんな思いで業務に取り組んでいたのかについてお伺いしました。

インタビューをしていて、この大きなイベントを無事に成功させた皆さんに驚きと尊敬を感じずにはいられませんでした。ぜひご覧ください。


G7教育大臣会合って何?

G7(Group of Seven)とは、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7つの主要な先進国と欧州連合(EU)のことです。

G7教育大臣会合は、このG7の教育大臣や教育に関係する国際機関の代表者が一堂に会し、教育に関する重要な問題を議論するための会議です。

今回は、わが国のG7関係閣僚会合として初めて、複数の自治体での共催となり、富山県と石川県で開催されました。

このG7教育大臣会合を円滑に実施するため、昨年10月に「G7教育大臣会合推進班」(以下、G7班)が設立され、教育委員会や富山県警、富山市役所など、様々な部署からメンバーが集められました。

特別チーム「G7教育大臣会合推進班」

G7班は、G7教育大臣会合が円滑に運営されるよう、富山県庁に特別に設置されたチームです。

文部科学省や会場との調整などの会合開催のサポート、県民の機運醸成や会合参加者へのおもてなし、富山県の魅力発信など、開催県として、あらゆる業務を担当しました。

今回は、このG7班から、小川さん・斉藤さん・堀越さんの3名にインタビューを行いました。


G7教育大臣会合のロゴマークは、
富山大学の学生が制作したことで話題になった。

小川さん
富山市役所からの出向によりG7班に配属。富山市役所では、デザイン人材として観光振興、都市デザイン、広報などを担当し、G7班ではロゴマークの制作をはじめとして、主に広報や記念品の業務を担当。
勤務中のコミュニケーションは絶やさないタイプ。

ー今回のロゴマークは、富山大学の学生が中心となって制作して話題になりました。最初からその予定だったんでしょうか?

小川:過去の資料を見ていると、ロゴマークやポスターのデザインを業者に委託していました。

今回は教育をテーマにしたイベントということもあり、学生が関わって作る方が良いんじゃないかとチーム内で話し合い、「デザインについて専門的に学んでいる富山大学芸術文化学部の学生さんにお願いしたらどうか」というアイディアが生まれました。

デザインした学生の皆さんが、私たちの想像以上にモチーフの意味やメッセージ、展開を考えていてくれていて、本当に色々な広がりを見せてくれました。

ロゴマークを中心にここまで展開できたのは、学生のみなさんや大学に助けられた部分も大きかったです。

ロゴマークをデザインした
富山大学芸術文化学部 岡本ゼミの皆さん

そもそもロゴマークを作って良いのかもわからないところから、共催の石川県や文部科学省などとも協議しながら制作を開始したので、関わってくれた学生が知事や市長と一緒に記者会見でロゴマークをお披露目してくれたときには、グッとくるものがありましたね。

学生がデザインしたロゴマークは
様々な場面で展開された。
米国代表団からの強い希望により
デザインを行った学生との面談も実現した。

直前まで参加者が決まらないなど、
国際会議ならではの苦労があった。

斉藤さん
富山県警からG7班に配属。県警では、警察官として主に交番や警察署で勤務し、災害対応の訓練の企画等を担当し、G7班でも主に警備関係の連絡調整を担当。若い頃にナイジェリアの日本大使館での勤務経験があり、会合でも、英語力を活かして在京大使対応などを行った。

ー警備の関係では、どのような業務をされていたのですか?

斉藤:今回の会合の警備は、県警が担当する部分と国が担当する部分があったのですが、私は県警と国の橋渡し役となって、必要な警備が実施されるように連絡調整をするのが主な役割でした。

誰が来るのか、何をするのか等を考慮して警備体制を整える必要がある中で、どれくらいの人が参加するのかや、各国からの参加者が来るかどうかが直前まで不透明な状態で進める必要があり、その点は苦労しました。

ー胃が痛くなりそうな状況ですね。そんな中でも印象的な経験があったとお伺いしました。

斉藤:在京の大使館の方が、2月に現地の事前視察に来られた際に、富山城(城址公園)に大変関心を持たれていました。

そのことをきっかけにして、「会合の合間に富山城址公園に訪問いただき、富山城の視察や、甲着物・甲冑体験などを行っていただいたらどうか」というアイディアが生まれました。

公園という開けた場所での警備ということで、施設を閉館にしたり、一般の方の入場を規制する必要がありましたが、富山市さんの全面的な協力と県警の対応により、実現することができました。

各国代表団の皆さんにも大変喜んでいただけて、やって良かったなと思いましたね。

多くの参加者が甲冑を身に着けるなど
想像した以上の大好評だった。

会合を通じて、多くの子どもたちが活躍した。

堀越さん
広報課からG7班に配属。広報課では、広報紙や県政TV番組の企画、県HPの運用などを担当し、G7班でも記録映像や子ども向け広報紙の制作などを担当。美味しそうなお弁当づくりに定評がある。

ー広報に関する業務を主に担当されました。広報課からの異動ということで、すぐに対応できましたか?

堀越:会合の特設サイトをつくったり、会合に関わる子どもたちの取組みを広報していく業務を主に担当していました。

県では、未来を担う子どもたちが自信を持ち、誇りに思えるよう、子どもたちが参加できる機会をたくさん用意しました。

そうした狙いもあり、今回の会合では、富山・金沢の中高生による「こどもサミット」や、学生ボランティアによる通訳補助、各国代表へのおもてなしの装飾の製作など、たくさんの子どもたちが活躍しました。

よりよい未来のためにできることを
宣言書にまとめた「こどもサミット」

イベントに直接関われる子どもたちは一部ですが、県内のより多くの子どもたちにも、こういうことがあったということを知ってもらいたいと思いから、小中学生向けの広報紙や、記録映像も制作しました。

関わった子どもたちの嬉しそうな表情や、達成感を感じている様子を広報できて、私も嬉しかったですね。

子どもたちの活躍を伝えたいという思いが詰まった動画。多くの子どもたちが意欲的に関わっていることがわかる。大臣たちとの交流をきっかけに、英語を学び始めた小学生がいるなど、子どもたちにも大きな刺激となったようだ。

自然と出来上がった結束

ーお話を聞いていて、混成チームなのに一体感がすごいですね。何か工夫されていたんでしょうか?

堀越:自然とそうなってましたよね。

小川:特別に意識してたわけじゃないですが、「ああしたらいいこうしたらいい」とか「あれできたっけ」とか。ずっとしゃべってましたね。

堀越:ずっとしゃべってましたよね(笑)

斉藤:その会話の中で。甲冑体験など、あとにつながるキーワードがちらほら出てきた、みたいなことはありましたね。

個々の職員の能力だけでなく、何でも言い合える雰囲気の良さが、前例にないアイディアを生み出す原動力になっていたようだ。

他の係の職員もノベルティの缶バッジの製作に協力するなど
部屋全体の連帯感も伝わってきた。

おわりに

今回の記事では、G7班の3名にインタビューを行い、イベントの裏側やどんな思いで業務に取り組んでいたのかを中心に教えていただきました。

インタビューをしてみて、表からはわからない苦労や喜びがあったことが、改めてわかりました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

文:広報・ブランディング推進室 新田

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