【県職員なのに海外勤務?】シンガポール派遣の様子。
こんにちは。広報・ブランディング推進室です。
県公式noteでは、これまでも何度か県職員のお仕事について紹介してきましたが、今回は海外で活躍している県職員の取組みをご紹介します!
そもそも、どうして県職員が海外勤務?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
富山県では、高度で広範な専門的知識、技術等を有する職員の養成を推進するため、国、専門機関、海外等へ職員を派遣する研修制度を設けています。
今回は、その研修制度を利用して、クレア((一財)自治体国際化協会)に派遣され、現在シンガポール事務所に勤めている木村主事にインタビューしました。
ぜひご覧ください。
ーーまず最初に、派遣先のクレアについて、簡単に教えてください。
クレア(CLAIR:Council of Local Authorities for International Relations)は、国際イベントの参加や人材交流の仕組みづくり、海外事情のリサーチなど、自治体の国際化を多方面から支援する、日本全国の自治体の共同組織です。
今回私は、クレアに計3年間派遣されることになり、1年目は東京本部で、2・3年目はシンガポール事務所で勤務しています。
シンガポールは、多民族国家で多様な文化が共生しています。東南アジアのハブとしても知られ、金融や貿易、交通、物流などのネットワークをつなぐ、重要な拠点です。
ーー派遣のきっかけや経緯を教えてください。
以前から、多文化共生や国際交流といった分野に興味があり、タイミングよく庁内で派遣の募集があったので、応募することにしました。
県庁の仕事にも海外派遣があるというのはなんとなく知っていましたし、いつか挑戦してみたいと思っていたので、選ばれたときは嬉しかったです。
ーー今までに海外に住んだご経験はありましたか?
大学生のときに、1年間ブルガリアに留学していました。ブルガリアは、東南ヨーロッパにある国で、自然環境が非常に豊かで、さまざまな民族や宗教が混在しています。
そこで多様な文化の面白さを体感し、多文化共生に触れたことは、多文化共生や国際交流に携わる仕事をしたいと思うようになったきっかけのひとつとなっています。
ーー派遣先での仕事内容について教えてください。
【1年目】東京本部
東京本部では、JETプログラム事業部研修・カウンセリング課に配属されました。来日したJETプログラム参加者に対する研修等の事務調整やメンタルケアを行うための契約事務、受け入れ側となる自治体や教育委員会などの相談受付が主な業務でした。
業務以外には、事務所から語学研修のサポートがあり、英語の勉強もしていました。語学研修では、英語の資格試験や英会話レッスンなどの提供があり、仕事と勉強の両立が大変でした。
【2・3年目】シンガポール事務所
シンガポール事務所はASEAN10か国とインド・スリランカの計12か国を所管国として様々な活動を行っており、所内では総務企画、支援広報、交流物産観光の3つほどの班に分かれて業務が行われています。
最初は総務企画の班で、経理事務のほか、JETAAという元JETプログラム参加者の会の方々をサポートする業務などを行いました。
また、フィリピン地方行政学院(LGA)と共同で行う日本フィリピン知識交流セミナーといった所管国の政府関連機関とのセミナー実施や、所管国各地で開催される旅行博のブース運営のサポートなどにも携わりました。
とくにセミナーでは、所管各国の政府関連機関と連携して実施するので、事務所の現地職員と協力して各国との連絡調整等を行っています。
ほかにも、自治体の海外活動の業務支援、日本からシンガポールに出張に来る自治体からの同行依頼にも対応しています。
3年目の今は、広報の仕事にも携わっており、事務所全体の事業を知ることができて面白いです。自分が執筆したものや編集に携わったものが刊行物になるとやはり嬉しいですね。
ーー特に印象に残っている仕事はありますか?
シンガポールで、旅行博のイベントに携わったことが印象に残っています。
イベント当日は、パンフレットを使って、富山県を紹介したり来場された方からの質問に答えたりしたのですが、富山に詳しい現地の方がたくさんいてとても驚きました。
シンガポールでは、日本へ旅行に行く方がたくさんいるので、日本に詳しい方も多いのですが、富山県出身の私ですらすぐに答えることが難しいような、富山に関する細かな質問をたくさんされたことが、とても印象に残りました。
シンガポールを通じて、より富山をよく知れた貴重な経験でした。
また、東京とシンガポールで2年間携わった、JETプログラム事業にも思い入れがあります。東京では、JETプログラム参加者を受け入れる側(自治体や教育委員会など)の悩みや困りごとを知ることができました。
一方で、シンガポールではJETプログラムを終了した方々と接する機会が多く、こんなにも日本やそれぞれの地域を好きになって帰ってきてくれて、さらには日本の文化などを周知しようと頑張ってくれていることに感謝するとともに感銘を受けました。
ーーシンガポールの暮らしで大変だったことはありますか?
仕事の面では、研修の一環で、現地の大学の学生に英語で事務所の事業紹介をする機会がありました。担当部署以外の事業についても調べて資料にまとめるなど、普段の業務を行いながら、プレゼンを準備するのが大変でした。
生活面では、最初の住居探しや住居に関するトラブルへの対応に苦労しました。一度エアコンが壊れたことがあったのですが、修理を頼んで1カ月ほど経ってようやく直してもらえました(笑)
ーー通勤や食事はどうされていますか?
通勤は、MRTと呼ばれる地下鉄を利用しています。シンガポールは公共交通が非常に発達しているので、移動は楽だと思います。
食事はたまに作りますね(笑)普段だと、朝は家で簡単に済ませ、昼は近くのお店で食べたりテイクアウトしたり。夜は、遅くなるときは早めに買っておいたものを食べたり、外食したりします。
シンガポールは外食文化が盛んなので、レストランや屋台がたくさんあります。また、多民族国家であることから、中華料理やマレー料理、南インド料理など様々な国の料理が楽しめることも特徴です。
ーーお休みの日の過ごし方は?
家でゆっくりしたり、国内外を観光したり、ミュージカルを見に行ったりもします。
シンガポールは東南アジアのハブなので、直行便でつながっている国も多く、シンガポール自体が小さな島なので、海外旅行がとても身近なレジャーとなっています。
また、事務所で仲良くなった職員とプライベートで旅行に行くなど、交流を深めています。
ーー最後に、海外派遣を通して得たことを教えてください。
派遣の3年間は、幅広く、様々な業務に携わることができ、とても濃く充実したものになりました。
とくにシンガポール事務所で過ごした2年間は、仕事でもプライベートでも、多様な経験を積み、2年分以上の経験をさせてもらったという実感があります。
また、クレアには、様々な地方自治体から派遣された職員が集まっているので、そういった方々とのつながりができたのは、大きな収穫のひとつです。入庁してすぐに、海外での勤務経験を積むことができたことも、自分自身にとって大きな刺激になりました。
今回は、県職員のさまざまなお仕事のひとつとして、シンガポールへ派遣されている職員にインタビューしました。
海外派遣で得た貴重な学びや経験を糧に、富山県に戻ってもさらに活躍されることを期待しています!
文:広報・ブランディング推進室 弥生